第14章 RED SPLASH.
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がらがらがら、と勢いよく扉が開く。
田村先生か氷入りの袋を持ってきた。
「そしたら木兎、まおちゃんの鼻に
5分くらいコレ当てて。はい、タオル」
「5分も!?」
「大切な彼女の為なんだから5分くらい
持ってなさいよ。私、ちょっと抜けるから。
エッチとかしちゃ駄目だからね」
「しねえよ!」
「予鈴なるまでには戻れないかもだから
もし鼻血止まってここ出る時
この看板扉にかけててもらってもいい?」
「ありがとうございます、先生」
「いえいえ!じゃあお大事にね」
パタパタと先生が出て行く。
タオルに包まっているとはいえ
氷を5分持つのは大変だ。
集中させようと思って私からは
声をかけないし、光太郎も
さっきの私の情けない声を覚えているのか
話しかけては来なかった。
凄くそわそわしてるけど。
「……はい!5分!」
いきなり大きな声を出されてビックリした。
言われていた5分が経ったので、鼻を離す。
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