第14章 RED SPLASH.
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無事に鼻血も止まり、今、光太郎の
ジャージを借りて着てみた。
ブッカブカだ。
彼ジャージ。光太郎の香り。いい香り。
私の片手には血染めのジャージ。
「待って!?まおめっちゃ可愛い!」
「同じジャージだよ?」
「同じだけど!同じじゃない!
お前ってホント小さいのなー!可愛い!」
ぎゅーっと抱きしめられる。
そして丁度よく予鈴がなったので
保健室を出る。
結局、田村先生は帰ってこなかったので
保健室の扉に看板をかける。
「ごめんね光太郎、半袖で寒くない?」
「んー?どうせ部活ジャージ羽織るし大丈夫!
それよりもまおが心配!
ちゃんと真っ直ぐ家に帰れよー?」
「小学生じゃないんだから、大丈夫だよ」
彼といると、自然と口角が上がってしまう。
そんな特性が彼にはあるんだろう。
ジャージでHRを受け、そのまま帰宅。
———ピロン、ピロン。
マネのグループRINEが鳴る。
雪絵ちゃんもかおりちゃんも心配して
くれていて、とても申し訳なくなる。
さて、早く帰ってジャージ洗って寝よう。
一先ず、彼に言われた通り真っ直ぐ
家に帰ろうと誓い、
彼のジャージで校門を出た。
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