第13章 ご報告。
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無事に朝練が終わる。
今日はダメだ、授業で寝よう。そうしよう。
教室に着くなり、何人かの子に声を掛けられる。
『今日手繋いでた人誰?』
『同じ学年の人?』
たまたま見てた人がいたのか、しつこい。
「手繋いで来たんだー、ふーん」
雪絵ちゃんが横目で私を見た。
その顔はどこか、隙あらばからかおうとする
少しイジワルな顔だった。
私は詮索されるのが嫌だ。
ましてや、同じクラスなだけで仲良くもない子達だ。
「誰だったらいいの?」
「ふふふー、まおこういう子だからー。
でもいずれ分かると思うよー、今聞かなくても」
雪絵ちゃんがカバーしてくれてとても助かった。
クラスの子達は苦笑いをしながら自分達の机に
戻っていく。それを私達は見ていた。
「ありがとう、助かった」
「いえいえー、だけど木兎とまおがねー
手繋いで来たなんてねー、かわいいねー木葉ー」
「………なんで俺に振るんだよ」
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