第1章 気になる、黄色目のあいつ。
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この子は雀田 かおりちゃん。
この子も中等部からの知り合いで
私の事情も知ってる子。
明るくて面白くて、私とは真逆だ。
体育館に向かうと、すでにバレー部は
活動していた。
キュ、キュ、とシューズと床が擦れる音。
バンッ、と肌とボールが触れる音。
ちゃんと聞いた事無かった……
自分の都合でマネージャーなんてやって
挙句選手の名前すら知らない。
最低だな、私。
「あれ?練習ってまだじゃ無いかな?」
「え?」
「お疲れ様で〜す、……あ、木兎と木葉」
体育館にいたのは購買で会った木兎くんに
同じクラスで見た事ある木葉くんと呼ばれる子。
「ヘイヘイヘーイ!俺ら1番乗り〜!」
「今度絶対背番号もらってやるからよ!
って話になって木兎と2人で早くきたんだぜ」
「ご苦労様、じゃあスポドリ作るねー」
「雪絵に言っても脱力系で返ってくるの何」
2年生もいなくて、まして2人だけで練習。
ちゃんとしてる。
「……偉いな」
「?まおなんか言った?」
「っあ、なんでも、ないよ」
ふるふると首を振る。
ちゃんとしてる人達の中に入るのって
こんなにも緊張して惨めなのだ。
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