第11章 Will not forget.
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突然だった。
赤い夕陽に、黄色い眼が照らされて
キラキラと光っていた。
「なん、で?」
「俺さ、前からまおの事好きだったんだけど
その…っ、えっと、良かったら付き合って欲しいんだけど…」
ぶわっと、顔が赤くなった、気がした。
この瞬間が夢なんじゃないかと思った。
「………しも、」
「え?」
「…わたしも!…木兎の事…すき…」
ぎゅっと抱きしめられていた。
最後の方なんて声が掠れて出ていたのか。
夢、じゃないんだ。
私も木兎の事を抱きしめ返した。
「…っはーーー!俺、今すげー幸せ!
今日最後のストレート決めた時より!」
「私も、ッ、木兎、好きだよ…」
「あー…あのさ、名前で…呼んで欲しいんだけど」
「……こーたろー?」
めっちゃ可愛い!
そう言ってより一層抱きしめてくる。
こんなに幸せで良いのだろうか。
そして、ふと愛おしくて。
気づいたらお互いの唇が塞がる。
今になっては、どっちからかは分からない。
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