第11章 Will not forget.
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学校に戻りミーティング、そして帰宅。
の、はずなんだけど。
「木兎、休んだ方が良くない?」
「いやぁダメだ。あかーし!もう一本くれ!」
「……木兎さん!」
今日の大会といい、今といい、何だろう。
———貪欲だ。
その瞬間、スパンと抜けたと思ったボールは
床に叩きつけられ、強烈な音を発した。
「…!!いまの、今の感じッ!」
「あとは試合で使えれば、ですね!」
凄く綺麗なストレート。
見ていて惚れ惚れする、けど。
「はい!もーだめ!オーバーワーク!!
帰ろう!帰るからね!分かった!?」
「まおがいつになく過敏だ…」
「まあ…大会の後ですからね」
ピロン、と携帯が鳴る。
私ではなく、赤葦くんだったみたい。
赤葦くんは携帯を見るや否や微妙な顔になり
「…すみません、家族で祝いたいらしくて
寿司屋集合みたいです」
「寿司!いいなー!まあ行って来いや!」
「そうだよ、私と木兎で片付けするし」
「いや、流石に片付けはします。
でも片付けたらすぐ向かうので…」
「ヘイヘーイ!そんな気にすんな!」
「すみません、ありがとうございます」
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