第1章 気になる、黄色目のあいつ。
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そんな話をして思い出していると
人集りから帰ってきた木兎くんが
袋を分けてこちらに戻ってきた。
「ほらよー!プリンは雪絵だろ」
「よくわかったねー」
「前にプリン目当てで購買行くみたいな
言ってた気がした!覚えてただけ!」
「焼きそばパンにミルクティーも
私が食べるかも知れないでしょー?」
「……まあ、勘ってやつだ!ワハハハハ!」
ふーん、なんて雪絵ちゃんがこちらを向く。
私も木兎くんが持ってきた袋を受け取る。
「ありがと」
「どういたしまして!」
そう言って走って階段を登っていった。
騒がしい人、なのに、なんだか心地よかった。
同じバレー部の人…気づかなかった。
「あれーまおさん、見惚れてるー?」
「えっ、あー…どうだろ、分かんない」
「…まいっか、プリン手に入ったし戻ろー」
パタパタと先に雪絵ちゃんが教室に戻る。
先輩の事なんて忘れられるくらい、印象的な人。
今日は、ちゃんと部活見てみようかな。
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