第6章 初の夏合宿。
.
流石、赤葦くんだ。
セッターというだけあってよく見ている。
3年生だから、なんて理由じゃなきゃ
あんなやつベンチにも入れないで
赤葦くんがスタメンだろう。
そう思うくらい、洞察力に優れてる。
「あかーし!ボール!お願い!」
「!はい、じゃあまおさん。
暗くならないうちに部屋に戻って下さい」
「ありがと」
「あ!まお!暗くなったら俺が
部屋まで送ってやるから記録取ってくれよ!」
「…!
じゃあお言葉に甘える!」
「よしきた!…じゃあこいや黒尾!」
「木兎のくせに、カッコヨシ男かよ!」
————今は何時だろう。
もう真っ暗。
でもこの人たちはバレーをする。
.