第6章 初の夏合宿。
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「信じられない」
「俺もそう思います」
夕方、あんなに練習して夜もこんなに
動けるものなのだろうか。
流石の赤葦くんもバテている。
赤葦くんがバテるって相当のスタミナ。
オーバーワークのしすぎじゃなんて
心配もしたけど、木兎と黒尾くんは
何もないかの様に練習をする。
「…あれ!?まおじゃん!!!」
「感謝しろよ木兎〜俺が呼んだ」
「はあ!?黒尾まおにちょっかいかけんな!」
「だってまおちゃんフリーでしょ?
俺、彼氏立候補しちゃったもんね」
「つかうちのマネージャーだから!
いちいち声かけんなバカ!」
ズキン、と心臓が痛かった。
別に私じゃなくても、あの2人もちょっかい
かけられてそう言う風に言うのかな。
最近、仲がいいと思っていたから
特別なポジションにいると思ってた。
来なきゃ良かったな。
「あ、まおさん」
「うん?」
「木兎さん、まおさん来てから
凄く張り切ってるんです。
だからそんな悲しい顔しなくても大丈夫です」
「…わざわざごめんね赤葦くん、ありがと」
「いえ、これくらいしか言えないですけど」
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