第6章 初の夏合宿。
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「俺の事、面倒とか思ってるでショ。
傷つく〜。………まあいっか。
俺は黒尾鉄朗。木兎クンのマブダチ」
「…森岡まお」
「まおちゃんね、よろしく。
てかまおちゃんて木兎好きなんだね」
「………面倒だから戻ってもいい?」
「いやーごめんごめん、さっきの木兎との
やり取り聞いちゃったからさ、たまたま」
はあ、と大きなため息が出た。
初対面の人にこんなに詮索されるのも
嫌だし、こんな気持ちになる自分も嫌。
聞き流して、戻っちゃおうかな。
「好きじゃないんなら、俺、まおちゃんの
彼氏に立候補したいんだけど、ダメ?」
「……面倒くさい」
「よく言われる。
去年いなかったから教えてあげるよ。
夜、よく俺と木兎自主練してたから
もし気になるんなら第三体育館においで」
「……面倒だし、お節介なんだね」
「幼馴染によく言われるよ。
でも俺、意外と律儀で世話焼きよ?」
「多分行くと思う」
「うんうん、多分木兎も喜ぶんじゃない?」
悔しいけど、有意義な情報を手に入れた。
練習終わってご飯食べた後行ってみよう。
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