第2章 恋というもの。
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「まおちゃん、今日もいるんだ!
……ねーねー、先輩から聞いたんだけどさ」
ああ、また"その"話しか。
【 ヤリマン 】なんてあだ名がついたのは
中等部の時からだった。
先輩も余計な事を同じ部の後輩に
言ってくれたもんだ。
1個上だし、逆らうのも面倒くさい。
どうしよ「まお〜!」
聞こえたのは木兎の声だった。
そっと近くに来て、他愛ない話をして
頼みたい事あるって言われてその1個上を
置いて木兎に着いてきた。
「で、頼みたい事って…」
「いや〜特に無いんだけどさ!
なんか困ってそうだったし!人助け?」
「…ありがとう」
「どういたしまして!」
あ、購買の時の笑顔。
「なんかあったら言えよ〜?
あ、あとさ、体育の時手振った?」
「え、あ、うん」
「俺めちゃくちゃ嬉しくてさ!気合い入れて
ボール蹴ったらあの後ボール吹っ飛んじゃって
大変だったんだけどさ!
また、見つけたら手振ってくれない?」
「…!うん!手、振る!」
じゃあ、約束な!
って言ってまた自主練に戻ってしまった。
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