第2章 恋というもの。
.
私が持ってる噂を木兎は知ってるだろうか。
知ってたとしても……
「いい感じじゃんよ〜」
「なに、木葉くん」
たまたま通りかかったらしい、木葉くんが
私に話しかけてきた。
「付き合っちゃえば?」
「…あの手のタイプは皆に優しいでしょ」
まずは、ちゃんと仲良くなろう。
その為にも色々聞かなきゃ行けない。
そうだ。
「木葉くん、木兎の連絡先、聞いててほしい」
「んー?まあ、良いけど」
「あ、やっぱり自分で聞く。
だけど聞いても良いか、聞いててほしい」
「まどろっこしい!まあ良いけどよ!任せろ」
帰る途中、体育館を覗くとまだ木兎が
壁打ちをしていた。
他の人たちは帰った…のかな?
———かっこいい。
自分の好きな人を見るって、こんなにも
幸せな気持ちになるんだ。
その気持ちを噛み締めて、声をかけず帰宅した。
.