第20章 潜む息遣い。
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「皆、風邪引かないでね」
部活が終わった後、私がそう言うと
驚いた様に皆が私を見る。
「…まおさんがそう言うとは」
「赤葦くん私をなんだと思ってる?」
「いやー、でもまおがそう言うとは
思わなかったわ。風邪引けねぇな!」
「木葉こういう時は調子良くなるよな〜」
「ばっ!?小見黙ってろって!」
皆それぞれシャワーを浴びにいく。
意外とシャワーって温まらないし
湯冷めも心配だ。
でも残念な事に私が出来るのは
心配する事だけである。
シャワーも浴びずにトス練してる
おバカ2人を見つつ、皆が帰ったのを確認する。
「今日はもうダメ、終わり」
「なんで!?」
「寒い!から!風邪引く!シャワー浴びて!」
「木兎さんココは言う事を聞きましょう」
「エー!?あかーしもそう言う?
………はー、シャワー浴びようぜ」
「はい」
……よし、何とか練習終わらせた。
ボールを片付け、床にモップを掛ける。
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