第20章 潜む息遣い。
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「どうしたのまお?
顔色悪いよ?やっぱりさっきあの子に
なんか嫌な事言われたの?」
「んーん、全然。
むしろ光太郎が私の分まで言っちゃったから
あの子に悪い事したかもしれない」
「そこまで心配出来るとか
やっぱりまおは優しい子だ!」
そう言って、わしゃわしゃ。
頭を撫でられる。
なんだか、普段こういう事を
され慣れてないからか顔が熱くなる。
顔が染まっていく私を見て
かおりちゃんがまた口を開く。
「もー!まおホント可愛い!」
気づいたらぎゅっと抱きしめられる。
わ、光太郎が何か物言いたそうに
コチラを見ている。
「オイ!かおり!
まおに抱きつかないでクダサイ!」
「うっさい木兎!練習しなさい!」
凄い。
清々しい言い合い。
見ていて面白くなって、思わず微笑む。
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