第19章 ケジメ。
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それからはあっという間。
キス、されたんだ。
「ホラホラ、そーんな可愛い顔してっと
取って喰っちまうぞ〜?」
「…バカ!部活行く、置いてく!」
全く冗談には見えない含みのある言い方。
そして、獲物を捕らえる眼だ。
本当にあんな事やこんな事をしてしまう。
そう、ココは学校である。
セフレがいた頃でも、学校ではシタ事がない。
ただでさえ噂が立っていたのに
シテいるところを見られた日には
学校になんて来れない。
光太郎なら、良いかも。
なんて少しでも思ってしまったから
光太郎を置いて体育館に向かう。
「あー!?待てよー!」
そう言って付いてくる光太郎は可愛い。
私よりも身体も大きい分、出遅れた歩幅は
すぐに取り戻し隣を歩く。
「なあ、ちょっと期待した?
物欲しそうな顔で見られるの堪んねえわ」
———バレてる。
ギラギラと煜るゴールドがこちらを見る。
彼に嘘など通用しないのだ。
恥ずかしいから下を向いて頷いた。
それを見た彼は嬉しそうに嗤った。
「部活終わった後のお楽しみ、だな」
きっと、今日は長い夜になるだろう。
そう思わずにはいられなかった。
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