第19章 ケジメ。
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「………何の用?」
「あの、昨日の事なんだけど」
「私絶対謝らないから」
「…別に謝って欲しいわけじゃない」
「じゃあ何?木兎隣に置いて、自慢?」
「違くて…」
「マジで何?アンタ、馬鹿にしてんの?」
この手のタイプは話が通じない。
こちらの言い分が伝わる前に自分で
シャットダウンされてしまう。
勿論、聞いてくれるとは思っては無かった。
「お前さ、まおになんか恨みあんの?」
「木兎は黙っててよ!」
「なんで黙んなきゃねえのよ!
俺が聞いたんだけど?答えられねえの?」
「…私は、コイツよりも先に木兎を見てた!
だけど木兎はコイツと付き合っちゃって。
正直面白くないし、何なら消えて欲しい」
真っ向から言われると、刺さる。
ズキンと心が痛くなる。
でも彼女の言いたい事は凄く分かる。
私は、私の事しか考えてなくて。
身体の関係だけの奴らなんてたくさんいて。
この子は光太郎をずっと一途に見てきたのに
簡単に私が奪っていたとしたら。
確かに憎たらしいかも。
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