第19章 ケジメ。
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体育祭の頃は付き合ってなかったし
なんなら組も違くてすれ違ってたから
特別意識してなかったけど
確かに声援を聞いたし、声援を送ってる
女子をちょっと羨ましく思ってた、かも。
「でもねー、その時も木兎
まおに応援されてーって
うるさかったんだよー、全くー」
「そうだったんだ…
なんか恥ずかしいかも…」
「その頃にはもういつ告白しても
おかしくないくらいまおの事
毎日のように言ってたから流石の
赤葦も呆れてたんだよねー懐かしー」
こう、他の人から聞く話は
どうも恥ずかしくて顔が熱くなる。
とにかく、昨日の子と話をしたい。
流石に1人では怖いけどそんなことも
言ってはいられない、かな…
「ねーえ、ほんとに話するの?
昨日の今日だし下手に刺激しちゃうんじゃないかなー…」
「それでも、やっぱり…」
「なら、俺が着いてこうか?」
聞き慣れた声がして
雪絵ちゃんと顔を上げる。
「あれ、木兎じゃん」
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