第18章 影。
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ぐずぐず、鼻水やら涙やら。
流石に光太郎は気づいて、こちらを
見て私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「まお!ごめんな!もう少し
早く行けてれば良かったんだけどさ…」
「んーん、ごめ、っ、ありがとっ、」
「とりあえず喋んなくていいから。
大丈夫、俺はなにも知らないから。
周りがまおの事言ってきても
俺はまおから聞いてないから知らない。
だから気にすんな!」
「〜〜〜、っうゔぅ、」
「おーおー、俺の胸の中ならたくさん
泣いても大丈夫だからさ!
何があっても守ってやるからよ!」
本当に、こんなにも素敵な人に
愛されていいのだろうか。
とっくに私の事を知ってたとしても
それを感じさせないで付き合ってくれてるのだ。
なんて幸せなんだろう。
そう思っていたら、キスマークを
されたところにまた痛みがくる。
「——った、」
「さっき触られてたよな、ここ」
「そう、っだけど」
「消毒?ってやつだ!」
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