第18章 影。
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暴れても、振りほどけない。
怖くて、悲しくて、涙が出た。
「…あーあ、お前か意地悪だから
森岡泣いちゃったじゃん」
「むしろいい気味。ブス」
「ま、俺は森岡の泣き顔も好きだけど。
また窒息セックスしてあげようか?
木兎って、バレーは凄いかもしんないけど
セックスはたいした事ないっしょ?」
「ねえ、木兎の悪口はやめてよ」
「おー、怖い怖い」
もうダメだ。
軽率にやっていた行為が、まさかこう
自分に返ってくるなんて。
自業自得ってこの事なんだ。
人が変わるだけで、自分に触れる手が
こんなにも気持ち悪いのか。
「……なあ、コレ、キスマーク?
なんで?木兎ならいいんだ、ふーん」
爪を立てられる、痛い、怖い。
ガタガタと身体が震える。
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