第16章 高揚。
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「その為に、大袈裟にしてた?」
「まおが嫌ならやらないけど…
でも俺はまおが他の奴には声かけられるのも嫌なの!
お前が思ってる以上に、俺、嫉妬深い!と、思う!」
「…ふふ、何それ」
「んな!?笑うなよー!
………はー、俺さ、バカだけど好きな奴の
顔色なんかはすぐ分かるんだぞ?」
「ありがとね、光太郎」
「でさ、ところで、えーーーっと
入れて大丈夫?」
「……うん」
その瞬間、ぐっと入ってくる。
この圧迫感。
息の仕方を忘れる。
はっ、はっ、とうまく息が出来ないで
いると、光太郎は優しく髪を撫でる。
「っ、ほら、ゆっくり息しろ」
「はー♡、っ、はー、っぁあ♡」
「そうそう、上手」
「ん゛♡…っその、かお…ずるっ♡♡」
優しいのに、それでいて逃げられない様な
獲物を捕らえて離さない様な。
私は捕食者なのだ、彼の。
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