第1章 私の気持ち、あなたの気持ち
ー宏光視点ー
るうなを家まで送り、ホテルまでの道のりを歩く。
いつの間にか緊張していた事に気づき、フーっと息を吐く。
宏光「緊張してるのは俺の方じゃん(苦笑)」
海斗に会うというのは口実で、最初からるうなを送るのが目的だった。
初めてるうなに会ったのは高1の時。
海斗の後ろで小さくなってたっけ。
ランドセルをカタカタ鳴らして、俺達の後ろを付いて来ていたるうな。
なんか妹みたいで、目が離せなかった。
初めてキスマイのコンサートを見に来たるうなは、大きな目をキラキラさせて"私も宏光さんみたいに歌いたい"って言ってた。
それから直ぐにTAKUTO達とバンドを組んで、本当に楽しそうにステージで歌ってた。
まぁ、俺みたいに"アイドル"じゃなく"バンド"なのがるうならしいというか………(苦笑)
宏光「あの頃からかなぁ………」
俺はるうなが好き。
妹としてじゃなく、ひとりの女性として………
宏光「明日が楽しみだな」
ふっと笑うと、ホテルまでの道のりを急いだ。