第1章 私の気持ち、あなたの気持ち
その後しばらく練習すると、明日の為に体力温存ということで、いつもより早めに練習終了となった。
TAKUTO「明日15時からリハだから遅れるなよ」
YU-KI「OK!」
ITSUKI「じゃ、明日」
KOUTA「お疲れ!」
Ruuna「お疲れ様、明日ね」
みんなに挨拶をし家へと歩き出した。
………………が、ふと横を見ると…………
るうな「あのぉ…………宏光さん?」
宏光「ん?」
当たり前のように、私と並んで歩く宏光さん。
るうな「どうして一緒に歩いているんですか?」
宏光「ん、一緒に歩きたいから………かな(笑)」
はははっと笑うと、私の頭に手を乗せポンポンと叩く。
こんな風にされると、私は何もできなくなる。
真っ赤になった顔を見られたくなくて、下を向く。
そんな私を見て宏光さんは、ふっと笑うと私の頭から手を退けた。
宏光「久しぶりに海斗に会いたいし、るうなの緊張解してあげようかなって思ってさ」
海斗とは、私の兄の名。
兄と宏光さんは友人どおしなのだ。
るうな「私、緊張してるように見えます?」
宏光「ははは………見えないね(笑)」
るうな「じゃあ、緊張解す意味ないじゃないですか(笑)」
宏光「確かに(笑)」
私達はお互いの顔を見てクスクスと笑った。
あぁ、やっぱり私はこの人のこの笑顔が大好きだ。
この笑顔が私だけの物になればいいのになぁっていつも思う。