第3章 夢への一歩
事務所を出ると、私は宏光に電話した。
るうな『もしもし、宏光?今終わったんだけど、この後どうすればいい?』
宏光『お疲れー!今、どこ?』
るうな『事務所の前だよ』
宏光『俺もうちょっと仕事あるから、うちのマネージャーに迎えに行ってもらうよ』
るうな『わかった。後でね』
電話を切った私に、拓斗が話しかけてきた。
拓斗「宏光さんは?」
るうな「宏光、もう少し仕事あるらしくて、マネージャーさんが迎えに来てくれるみたい」
拓斗「そっか」
その後、キスマイのマネージャーさんの車で予約してあるお店へ向かった。
そこには既に他のキスマイメンバーさんがいて、少し遅れて来た宏光と共に大盛り上がりだった。
私達のデビューを、みんな本当に喜んでくれた。
日付が変わる頃メンバーと別れた私は、宏光と一緒に彼の部屋に帰って来た。
宏光「ふぅー、ちょっと飲み過ぎた」
るうな「ほんとだよ(笑)」
宏光「今日はめでたい日だから、おおめにみてね(笑)」
宏光は私を抱きしめると、私の肩にスリスリしてきた。
るうな「くすぐったいよ(笑)宏光、酔っぱらってるでしょー」
宏光「酔ってないよー(笑)久しぶりだからいいじゃん、ははは」
こんな風に甘えてくれる宏光。
普段はしっかりした感じなのに、私にしか見せないこんな姿を見ているとなんだか嬉しくて、私はひとり幸せを噛みしめていた。