第2章 通じあった想い
宏光「るうなのもう1つの夢って何?」
るうな「私のもう1つの夢は、宏光みたいに沢山の人に私の歌を届けること。もちろん私ひとりでは叶えられないと思ってるし、ひとりで叶えたいとは思わない。拓斗、優希、樹、航太、みんなで一緒に叶えたい」
宏光「その夢、俺も一緒に叶えてもいい?」
るうな「宏光も一緒に?」
宏光「うん。俺もさぁ、デビューしてから今までいろんな人と出会い、一緒にがんばってきたじゃん。ほんと沢山の人にお世話になったわけよ。で、いろんな人と繋がりができた。今ならるうな達を紹介できる。吉岡さん以外にもね。それがるうな達のデビューに繋がるかもしれない。どう?いい考えだと思わない?」
宏光の気持ちは嬉しいし、すぐにでもメジャーデビューはしたい…………でも………
るうな「宏光の気持ちは嬉しい………でも、私は自分の力で叶えたいの。みんなも同じだと思うんだ。だから、吉岡さんに会わせてくれただけで充分だよ」
私はそっと宏光を見た。
もしかしたら傷つけたもしれない………そう思ったから。
宏光「やっぱりね(笑)るうなはそういうと思った」
るうな「えっ?」
宏光「俺達何年の付き合いだと思ってるんだ(笑)るうなの考えなんかお見通しだし(笑)」
るうな「えー」
宏光「だから吉岡さんを紹介したわけ」
るうな「どういう事?」
宏光「大事な人の夢、やっぱり叶えてあげたい。でも、俺が何もかもしてあげたってるうなは喜ばないだろ」
るうな「うん」
宏光「だったら夢に向かって頑張れる様に、応援しようと思ったんだ」
るうな「…………」
宏光「吉岡さんを紹介したからといって、あの人がBlack Jewelを育てたいと思うかどうかは俺にもわからない。けど、るうなたちだったら大丈夫だと信じてる…………なんて、ちょっとかっこつけすぎかな…………ははは」
るうな「宏光………ありがとう。私、頑張るよ!!」
宏光「おう、がんばれ!」
るうな「うん!」
不思議………
宏光の一言で、こんなにも心が熱くなる。
宏光の一言で、力が湧いてくる。