第2章 汚された未来
「真白ちゃん、今日も"いつもの"お願いするね」
『はい。ではドリップコーヒーですね?』
「そう。真白ちゃんの淹れる珈琲は最高級だからね」
『あはは、ありがとうございます』
閑静な住宅街が並ぶその脇、個人経営のカフェ屋でバイトをしている真白は、今日も常連客の相手をしていた。
カウンター越しにドリップコーヒーを待つ男、名前を雨宮 昴(あまみや すばる)。
最近になって、週5でカフェ屋に来るかなりの常連客だ。
スーツ姿でビシッと決めており、茶髪の髪をオールバックにしている。年齢は26と、真白に告げているが、その顔立ちは年齢の割にはあまりにも綺麗な顔をさせていた。
相変わらずかっこいいな、なんて思っていると
「ちょっと真白ちゃん!コーヒー漏れてるよ!」
『え? 、っあ!これは失礼致しました!』
紙の容器からコーヒーを溢れさせていた。
初めてお客様の前でやかしてしまった。
「なにやら考え事かな?」
『そんな所です。雨宮さんがスーツ姿って珍しいなって思ってしまい。』
なんて口をついて出た言葉に、雨宮はそうかな?っと少し眉を顰める。
「確かに私服が多いからね。スーツなのは今日は仕事が入ってるからだよ」
『お仕事ですか?』
出来上がったドリップコーヒーをカウンター越しに提供しながら、真白は目を丸くしながら雨宮を見上げた。それに雨宮はふっと笑う。