第3章 悪魔は微笑む
「お前ヤッただろ?」
「だとしたら? いいから早く片付けるよ」
あれから唯人が合流し、今2人は地下室にいる。
冷んやりとした空気感に無機質な部屋はコンクリート剥き出しの壁と床で構成されている。
「チッ。お前は本当に見境ねぇな」
「どうも。さ、後は頼んだからね」
そして雨宮は金属バットを唯人に渡す。よく見ればそれは散々付着してきた血で茶色く汚れている。
唯人はそれを受け取ると、紺色のスーツに身を纏った雨宮を見た。
「お前は今から会社か」
「そ、エリート会社員だからね。っと、その前に真白ちゃんのカフェに寄らないとな」
「本当にいつも行きやがって。うざがられてんぞ」
「それは困るな。彼女の挿れた珈琲は格別だからさ。」
そう言って部屋を後にしようとする雨宮に、唯人は口を開く
「お前は、俺を裏切らねーよな?」
背中から聞こえてきた声。
引くくて、寂しそうな声だ。