第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング
代表の挨拶まで済ませてから、双熾に着いて中也の元まで足を運ぶ。
この人、誰かの後ろから着いてくばかりの人なはずなのに、私相手になるとしっかりお兄ちゃんになるから不思議なのよね。
「お待たせしました、凜々蝶様。あと、ついでに中原さんも」
「ついでにっつったよな今、どういう事だおい」
「僕はリアと交際するだなんてこと一言も聞いてませんでしたからね。まあ貴方とのやり取りくらい盗聴していたので聞いていましたが?…いい事沢山してくださってたようで」
「!!!?とうちょ…っ、おい、リア!!こいつちょっと危ないんじゃないか!!?」
『え…普通じゃないの、盗聴器くらい。私中也の携帯にとっくに仕込んでるし』
気が付かなかったというようにフリーズする中也。
やだ、かわいい。
緊張もほぐれてきたところで、凜々蝶ちゃんが私に恐る恐る聞き込みを始める。
「し、白縹さん…?と、盗聴器は…ともかくとして、まさか君も御狐神君のような趣味を…?」
『??私はまだ中也と会ってそんなに深い付き合いないし…精々メールのバックアップ五重張りと電話のボイスレコードと、隠し撮り動画の複製とGPS信号の受信と携帯のデータの漏「分かった、もういいもう分かった…!!」…そうくん、私変な事言った?』
「リア?ちゃんとデータバンクは作ってあるのですか?」
『…こんなに関わるなんて思ってなかったからまだ作ってなかった。ごめんなさいお兄ちゃん、リアまだまだだった』
「「何を教えているんだいったい!!!?」」
中也と凜々蝶ちゃんから声を合わせて突っ込まれる。
『好きな人にはそうするんじゃないの??』
「リア、分かった。分かったから…そんなことしなくていいからな?」
『嫌なの?』
「…まあ困ることなんかねぇからいいんだけ「いいのか!!?」…惚れた弱みってやつだよ」
『……昨日中也に会話、接触、挨拶含めて無意識的にでも接点のあった女構成員の住所と実家までは調べ尽くしてあるから安心してね』
「そんな心配しなくてもお前以外の誰のもんにもなんねぇよ馬鹿…ちなみにそれ始めたのいつから?」
私の事自分の部下にして面倒みるって言ってくれた日から、と素直に言えばまた溜息を吐かれる。
「…そんなに、懐いてたの?…そんな好きだったわけ、俺の事」
『………内緒』
大好きよ、最初から。
あなたはわたしの__