第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング
「とりあえず三十八度台…多少は薬が効いてんな。本気で行くのか?」
夕刻になって、最終確認と共に持ってこられる、中也の用意してくれたドレス。
『私にそれ着せてくれないわけですか』
「…遠回しに着替えさせろとまで言ってるか?それ」
『…』
何も言い返さないまま、徐ろにぷちぷちとシャツのボタンを外し、スカートを脱いでタイツも下ろして、それからボタンを外しきったシャツを脱__
「分かった、分かったからそれ以上やめてくれ…そんな意地の張り方して無理すんな」
『…張ってないし。なんなら無駄に成長してる胸で揉んであげてもいいくら、…ッ…ぃ、…?…ン、…な、に…っ』
「……減らず口の度が過ぎるから、触って欲しいのかと思って」
まさか本気で受け取られるとは思わなくて、シャツを脱がしてから外された下着のホックに思わずドキリとさせられた。
『べ、別に?男の人なら好きなのかなって思って…ただのサービスだし』
「…からかってたんじゃなくって?」
『へ、…ぁ…触っ……、…ひぁ、…ッ』
擽ったさに肩を跳ね上げる。
「確かに、年の割に成長してんな。こんなもん隠して生活してたのか…胸は感じる方なのか?」
『む、胸触られたくらいでそんなことな…ッ、…なに、撫でて…♡あ、…ッま、待って、強くされたら痛…!!!…っ、ん…んん…♡』
揉みしだくような動きに変えられて、思わず本音が口から零れると、彼はまた撫でるような手つきに変えて、そこを可愛がるようにキスしたりなんかして。
「悪い、触れんの初めてだったから知らなかった。…これなら痛くねぇか?」
『…は、…ぃ……っ』
優しくされるの、苦手…こんなの、こんな愛されるようなの、知らない。
「……胸元ちょっと広いドレスだけど、キスマーク付けていいか」
『?キスマーク、って…』
「!…キスで内出血させんの、お前の身体に俺のって印つけるために」
しばらく経っても消えない印を。
背筋がぞくりとした。
何それ、そんなこと言われたら逆らえなくなる。
私、貴方のものになれるの?
身体にそんな印を付けてもらえるの?
『…痛くしたら、あそこ蹴るから』
「ごめん、内出血させるだけあって痛くさせちまうもんなんだけど」
『………っ…、…怖く、しないで…』
「ん…仰せのままに」
指を絡めて、刻印される。
幸せな心地…