第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング

｢常にこんなんじゃ、辛くねぇ？｣

『………発情期』

小さく、へとへとになった情けない声で呟くと、彼の手がピタリと止まる。

｢…なるほどな。それで耳まであの調子か…尻尾全部で九本？だっけ。それ、全部弄られっと刺激も増すのか？｣

『…分かん、ない』

｢流石にその経験はねぇのか。…どこ撫でられるのが好き？｣

『ひ、っ…ぁ、さ、先…♡だ、…っあ、あぁ…ｯ』

足先まで痺れて、麻痺してくる。
ゾワゾワする感覚が、一気に全身に送られて。

耐えられない、死んじゃいそうこんなの。

｢…んじゃ、こっちはど『ｯｯ！！！？！？♡♡っ、は…、あ゛ｯぐ、…っ！、？♡』！！！？…り、リア…？｣

付け根のあたり、一番弱いの。
そこ触られると、ナカの弱いところ、直接刺激されてるみたいに感じちゃうの。

私が触るのも恥ずかしいのは…まるでそれが、自慰行為のように錯覚してしまうような感覚にさせられるからで。

『…ｯ、…ば、か力…っ♡ら、から…脳筋、って、ぇ…♡♡』

｢…もしかしてイった？｣

『…ｯ…、そ、こ…』

指で、くりくりして、ほしい。
尾を絡めるようにして…ちょっと押して刺激して、たまに……やらしくいじって、逆毛にしたり、してほしいの。

｢……もっと？｣

すがりつくように顔を埋めた彼の胸で、耳の先まで熱くして、羞恥と共に首をふる。

｢…目ぇ、イってますけど。大丈夫なのかよ、お嬢様？｣

『ちが、う…もっと甘やかすの…』

｢！……リア、…ちゃん、？｣

『ｯ…好き、……それ…ｯ♡…い、っ……ぁ、イ、く…イっちゃ…♡』

いじくられながら、名前の呼び方を変えられて、優しくされて。
まるで彼の手のひらで転がされるみたいに、達してしまう。

けど、悪くない。
寧ろ好き…これは。

｢…リアちゃん、エっロい目ぇしてきた｣

『…ま、った…また、イ…ｯ…イ、！！！！♡♡』

ちゅ、ちゅ、と短く額や首元にキスされて、撫でられて、もう限界だ。
頭、馬鹿になってる私。

｢……ん、おしまい。…呼吸浅くなってるし…汗かいてるし｣

『んや、…ぁ、……取って、食べて…♡』

｢お楽しみだから取らせといてくれよ｣

『…き、す』

｢……結局欲しいんじゃねぇか｣

風邪だから、我慢してたのに。

私を責めることもせず、彼はただ嬉しそうにして、私の唇をまたとっていった。