第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング

『な、か…っ、…ぁ、…あ…』

｢ん？また戻ってる｣

『…ちゅ…や……さ、…っ…』

｢いい子いい子…撫でられんの好き？｣

ｺｸｺｸと頷けば、それさえ彼は可愛がるようにして、舌の表面を人差し指で撫でる。
気持ちいいとか、安心するというよりは…変な感じ。

自分から強請ったの、初めてだし。

｢…耳生えちまうのって、あれ気ぃ抜けたらなっちまうの？｣

指を一度口から抜かれて、彼にそう問いかけられる。

『……安心、しちゃってると…びっくりしたり、動揺したり…嬉しくなったり…甘え、たかったら、なっちゃうの』

｢へぇ、じゃあ昨日は相当嬉しかったんだ？…今日風邪ひいてなかったらもっと可愛がってやりたかったのに｣

ドキリとした瞬間に、それが生えてくる。
それに二人揃ってフリーズしていれば、彼の手が頭に伸びてきた。

それに身を固くして目を瞑れば、ふんわりと髪を撫でられる。

｢…風邪で寝込んでんの襲ったりなんかしねえっつっただろが。…尻尾、触っていい？｣

『！！！…あ、んまり…力、入れたり……逆撫でしたり、しないで…』

｢そんな敏感なのかよ…こないだは悪いことしたな、それなら｣

一本だけ生えたそれに、慎重に手で触れられる。
それにﾋﾟｸ､ﾋﾟｸ､と震えはするが…嫌じゃ、ない。

｢…苦手？触ってる分には気持ちいいけど｣

『……、い…い。…ちょっと、…性欲、増えちゃう、けど…だい、じょぶ』

｢それ、大丈夫って言わねぇやつじゃねえのかよ。…手入れしてんの？毛並み綺麗だし｣

『…たまに、なら。……恥ずかし、くて…あんまり』

｢そうか…妖狐的には恥ずかしいんだ？これ｣

す、と撫でられるのに背中を力ませて少し丸める。
だめ、こんな風に他の人に撫でられたのなんか初めてなのに。

こんな事されたら、興奮しちゃうのに。

『んん、…っ……は、…ぁ…♡…下着、ダメ…む、りこれ…っ…絶対…ぃ…っ』

｢……ちょっと生殺しが過ぎるんだけど、鬼畜過ぎないか？…風邪じゃなかったら負けてんぞ、流石に｣

ｽﾙﾘとおろされる下着。
そして布団を剥がれれば、外気が私のそこを撫でてきた。

｢脚すげぇ擦り合わせてらぁ…それ、マシになんのかよ｣

『…っ、……なん、なぃ…』

｢もどかしそうじゃねぇの…悪い、めちゃくちゃそそるわ、それ｣

そんな一言さえもが、私の身体を昂らせる。