第11章 珪線石の足音
「今日も散々だよ、独断専行はするわ敵地で自殺はするわ俺のこと盾にするわ」
「そんな事してましたっけ、つーか最後のは中也さんが自分から行ってたでしょ」
「行かねぇとあいつに弾が当たってただろうが、痛がりなんだからそれくらい当然だろ」
「中也さん、あんた酒入ると準幹部のことばっか話してますよ」
あいつに報告書と反省文を書かせている間にこちらも報告を受けているのだが、立原は何を言っているのだろうか。
「俺は素面だ」
「じゃあ素でそれなんですね」
『今日は指で弾丸を挟んでました。動体視力が凄いなと思いました』
「リアちゃん、それはもしかして報告書か?」
『いい盾「リアちゃん???」出来たよ素敵帽子さん!帰っていい??』
「ダメだなぁ?報告書の反省文が必要そうだ」
ケラケラ笑ってはいるが、これもある種の試練であろう。
何せ俺はずっと試され続けているのだ、どこまでやれば離れていくのかと。
「諦めて素直になれよ、もう一度言うが今日泊まっていけ」
『いやよ、セクハラ幹部に犯されちゃう』
「犯ッッ!!?」
「立原が真に受けるからやめろ、まともにキスもした事ないくせに」
『立原君のお話ばっかり』
ぽつりとこぼされて立原に悪い、と退室してもらい、即座に構いに行った。
おまえ今ので妬いてたらキリねえだろ、我慢する前に言えっての。
『何、遂にえっちしたくなったんですか』
「アホぬかせ、おまえが俺に構ってほしくなったんだろ」
『迷惑だと思ったから褒めてくれないんでしょ』
「んな事ねえわ!!?大手柄だよこの優等生!!!」
撫でくりまわしてあやす、あやす。
俺が撫でなかったのが相当不安にさせていたらしい、そうかそうか、撫でられ待ちだったか。
『セクハラ乙、じゃあリアもう帰るから♪』
「なッッ!!?ちょっと待て、まだ首領に報告が残ってるだろ、おまえも行くんだよ!!」
『ええ〜、なんでリアまで「おまえが受けた任務だよな???」…………仕方ないなぁ〜、寂しがり屋さんなんだからもう♪そんなにリアにかまってほしいの〜??』
おまえだよ、おまえ。
廊下に出たところでスタートする本日のお戯れ。
あいつは呆然とした立原がまだいる中、目の前で…………俺に寸止めで口付けをけしかけてきやがったのだ。
「……手前、覚悟しろ朝まで死なすッッッ!!」
『きゃ〜変態♪』