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glorious time

第11章 珪線石の足音


「あの首領、どういう事なのかいまいち分からないんですが」

「ん?ああ、中也君に説明する余裕も無かったのか…リアちゃん物凄く疲れちゃったのかな?体力すごく消耗してなあい?」

「ええまあ、色々とありまして」

「うん、だから身体を活動出来そうな程度まで小さくしたんだろうね?リアちゃん賢いから」

「そんな感じで言ってたような気がしますね」

よしよしとリアの頭を撫で始める首領は、ニコニコしたまま続けられた。

「ここまで消耗してるとさあ、能力を抑えるのも大変なんだよ…覚の力はいつもこの子が意識的にセーブしてるだろうから、今はそのタガが変な外れ方をしちゃって、自分の中で記憶がこんがらがっちゃってるんだね」

「…ええっと、つまり……?」

「本人に聞いた方が多分早いでしょ。リアちゃん、今何歳??」

『六歳!』

「うんうん、いいお返事だ♪……ってわけだよ、大体分かったかな中也君」

マジか、リアちゃん様奇跡の六歳時代…マジか…!!!

「り、リアちゃん?六歳なのか…?なんですか???」

『多分?大体そんなくらいで…あ、えっと、でもお誕生日無いから、えっと…何歳だろうねえ』

「誕生日は三月三日のひな祭りだぞ〜、今六歳だなぁ、六歳で間違ってねえようんうん」

一瞬表情が暗くなった後に愛想笑いを返されて撫でくりまわして抱きしめた。
何だこの尊い生き物は、この子はきっと俺が守る。

「リアちゃん良かったねえ、中也君君のこと大好きだって」

『また私のこと買いに来た人?』

「違う違う、君はもうお家から出てきて中也君と一緒に住んでるの。誰も怖い人は来ないし、そんな輩がいたら中也君がちゃんと護ってくれるからね?」

『ぅ…?……あ、っそう?』

「うん、だからもう大丈夫だよ。中也君になんでも言いなさい♪」

『…………じゃ、ぁ…あの…』

うんうん、と首領や立原、芥川と共にその先の言葉を見守りながら待っていると、意を決したように、しかし小さな声で弱々しくその子は言った。

『だっこ、』

「いくらでもどうぞ」

彼女からも俺に腕がちゃんと届くように位置を変えて抱き上げれば、そこにしがみつくように抱きついて、その内すんすんと静かに泣き始めてしまうので背中を撫でる。

慌てて首領に助けを求めるものの、微笑ましそうにリアを見ているのみ。

「首領、!?」

「嬉しかったんでしょ」
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