第10章 アザレアのひととき
「お前はもうちょい俺に怒っていいと思うんだよ」
『ぁっ、あ…!』
正気を取り戻して彼女の身体につけていったマーキングの数を知り、完全に出来上がってしまっていたそいつの辛そうな表情を見て続行することにしたはいいが、いかんせん俺に身を委ねきってしまっているこのお姫様は、嫌がるということを微塵もしない。
少し力が強かったりしたら、痛がりなのもあるのだろうが痛いとくちにしてはくれるのだけれども。
「ん〜?指で撫でられんの好き?」
『す、すき…これきもちぃ…』
「……うわ、こっちすげぇことんなってんな!?あ〜悪い悪い、辛かったろこんなんずっとじゃ」
『…、お腹、ばっかするから…あの…』
「お前こっちいじった事ある?触ってもいいけど、痛かったらちゃんと言えよ?」
こくこくと頷く彼女は既に泣き散らした後で、息を吐いて俺から与えられる中途半端な快感に喘ぎながらすがりついてくる。
こんな悪い男に目つけられちまって、かわいそうに。
下着を取り払って割れ目をなぞると、とっくに快楽の蜜を溢れさせて熱く熟れたそこがひくついた。
ツンと主張する小さな花芽を撫でると背中を丸めるように腰を引く。
無意識か…苦手なのかは分からないが、何となくそこをせめるのはやめた。
「足開け、見ないから」
『……っ、、ぁ、やだそっち怖…!』
言いかけた声に、目を見開いて手を止めた。
怖いっつったか、こいつ。
「…リア?」
『え…ぁ、…ご、ごめ…見ないで…ごめんなさ、何でもちゃんとする、ごめんなさ「リア、いいよ。怖いならやめとこう、俺が悪かった」…た、叩かな…?』
「誰が叩くかよ……そうか、怖かったか。言えたじゃん、えらいえらい」
『?…???』
「今日何する?向こう帰る?」
『……えっ?何の話これ』
「こっちにもう一泊するなら、それなりにエスコートさせてほしいって話」
きょと、とした顔をして、まだ理解出来ていない様子の彼女の衣服を直して、噛み砕いて言った。
「口説いてるんですけど」
『…え、ああ、うん??』
「お前ほんと純粋な。そうか、分かんねえか」
『えっと…?』
「デートしてくださいって申し込んでるつもりなんだがな」
『…………あ、の…えっち、は…』
「しなくていいよ、今のは俺がやりすぎた。手出さねえって約束する」
『…ぁ、そう。…なら、あの…はい、』