第10章 アザレアのひととき
礼を伝えながら額や頬にキスして撫でて、片手で衣服を緩めていく。
呆気なく脱がせてくれたそいつの下着姿を拝みながら、淡い黄色のそれの肩ひもに指をかけておろしてみて、恥ずかしがる表情を先に堪能させてもらった。
『へ、変態…』
「悪口のレパートリー減ってきてんぞ」
『だ、だって意味分かんないから。自分が気持ちよくならないのに何がそんなに楽し…っあ、待ってごめんなさっ、いきなり耳は…っ!』
「…普段クソ生意気なお前が、こんな可愛いことになっちまうのが馬鹿みたいに楽しいんだよ。分かるかあ?」
かぷ、と甘噛みするだけで膝を立てるそいつは十分に興奮してくれているようだ。
マゾっ気あんなこいつ、すぐ大人しくなっちまって。
『も、もう耳いやだ、もうやだぁ…』
「そこ塞いだら俺の声聞こえなくなるけどいいのかよ」
『……』
ぐずりながらも手を離す様子があまりに愛らしくてまたキスをした。
可愛いなあ全く。
「キスマーク付けんのは?OK?」
『もう何でも好きにしてくらしゃぃ…』
「へばんの早すぎだろ、まだ何もしてねえぞ」
『なんでそんな私のこと好きなんですかあなた』
「あ?お前が俺のこと好きなんだろうが」
『ちっとも好きじゃないしこんなセクハラ幹「今日幹部呼び禁止な。名前で呼べるように調教してやるよ」パワハラ…!』
せいぜい頑張れよリア。
言ってから下着を外して、手で触れる。
付け根を揉みあげれば腰を捩る彼女は口を噤んでしまって、涙目で震えているけれど。
気持ちいいって身体が教えてくれてんぞ、お嬢さん。
「飯ちゃんと食ってた?細くなってねえ?」
『ん、ん…別に、幹部に関係な…っひ、!?』
つん、と軽く胸の突起を指でつつくと、背中を仰け反らせていい反応をしてくれる。
お前の胸の性感帯くらい把握してんだよこっちは。
「なんて?」
『ぁ、な、中原さん…っ』
「ダメだ、もう一回」
指先で扱くように優しくこねてやれば、簡単に素直になる。
『ちゅうやさ…っ、やめて、それすぐきちゃうのっ、そんな優しいのでイきたくな…っ!は、離して…お願いだからイかせないで…っっ』
「イっていいよ、見ててやるから気持ちよくなりな」
声を押し殺して、枕を手でぎゅっと握りしめながら達した彼女を撫でて、愛でる。
『ぁ、あ…ぅ』
「乳首ほんと弱いなぁ?可愛い奴」