第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング
『ま、っ…ゆ、ゆっくりし…ッッ…ぁ、…』
ベッドの上で、一粒ずつ抜いてもらう。
しかし彼はそこを見るつもりは無いようで、片手を私の手と指を絡めて握ってから、繰り返しキスをするばかり。
「だいぶいれられてんな…出血しなかったか」
『わ、かんな…っひ、……ッ』
「大丈夫、大丈夫だリア。俺がついてっから」
二つ、三つと、引き抜かれるのに泣きじゃくるように悲鳴を上げる。
中也にしがみつくように抱きつくと、さらに彼は大切にするように抱き締め返してくれた。
「…っ、脚、曲げて…開かなくてもいいから、その……大事なとこ、見せる形になるけど、体勢変えて」
正常位で交わる時のようにすればいいのだろうか。
なんて頭で簡単に処理するも、何故か羞恥が募ってくる。
『……嫌』
「…じゃあ後ろ向かせるけど」
曲がるところまで入ってて、やけに引っ掛かりのいいパーツが出てきそうにない。
力任せに引っ張れば確かに出ては来るだろうが…彼は、それは避けたいらしい。
「中傷付けたらいけねぇだろ。…お願いだ、抜けやすい体勢に…!……いい子」
身体を横に向けてから、そこを突き出すような形になるよう、足を曲げる。
すると驚く程にすんなりと、ローションで滑ってあとは出ていってしまったのだ。
「…抜けた。頑張ったよ…風呂、入ってくる?」
『……中也が入れて』
「大丈夫なのかよ」
『平気。…だって、中也は私に酷いこと…しない、でしょう…?』
我ながらずるい言葉だと思った。
これは、半ば逃げ道を塞いでいるようなものだから。
「俺はいい、けど」
一緒に入って、子供みたいに強請って、髪も身体も洗ってもらう。
念入りに、彼の手で。
全部全部、流してしまうように。
それから…洗い終わってから、膣の中と後ろも、中に入っていた白濁と潤滑剤を掻き出してもらった。
嫌なことをさせたはずなのに…彼は一言も文句も言わず、茶化しもせずに……私が口にせずとも、やってくれてしまった。
「……薬、用意しようか?…あまりお前の身体に負担かけさせたくはないんだが」
『大丈夫…子宮の中は、狐火で焼いてるから』
「…お前に害がないなら、それでいい。………まだ気持ち悪いところある?」
どこもそうだろうけどな。
なんて聴き取れる。
『…口』
「………それ、誘ってる方?」
『ん』
「了解…」