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glorious time

第3章 誰そ彼時のエンジェルイヤリング


徹底的に後ろの開発を進められるだけ進められ、彼ら…三人の男子生徒達は帰ってしまった。

そう、帰ってしまったのだ、私をそのまま残してから。

だから、夜の学校で…生徒達が部活動さえもを終えたくらいの時間を見計らって、恐らく使われていなかったのであろうこの体育倉庫…その中の拘束を、無理矢理引きちぎって抜け出した。

手首に血が滲んだり、くっきりと鬱血した痕はどう隠そうか。

思いついたのは包帯無駄遣い装置さんだったが、生憎私にはあの趣味は無い。

鞄で遠心力かけ続ける遊びでも思いついて実行していたことにしようかしら。

なんて無茶な言い訳考えてから、異物をどんどん外していく。
が、後ろばかりは…流石に自分じゃ触れたことも無くて、変なところにまで入ってきているそれに触れるのがこわくて、触れない。

どうしよう、なんて頭の中を真っ白にしてしまう前に、とにかく制服を着直して…それから、余計に、どうしようって。

『…ピル、で…いいんだよね……あ、れ……』

忘れてた、月経、終わったばかりだった。
…ちょっと…いや、元々まずかったけれど、それどころじゃあなくなった。

……最悪、狐火で焼けばいい、だろうか。
私の体には害のない、自身の能力ならば。

帰ったら…いや、今の間に、子宮の中で焼いておこう。
狐火だけ灯していれば、あとは勝手に焼かれてくれる。

問題は…いや、これこそ最悪どこかの施設内ですればいい事だ、どうせ私じゃ怖くて抜くのに時間がかかる。
それよりも、荷物を取りに行こう…何か配布物だってあるだろうし。

なんて、今日覚えたばかりの教室に向かうも、鞄はやはり存在していなかった。
ああ、離しちゃいけなかった…手放しちゃ、駄目だった。

せめて、せめて何事もなければなんて…

捨てられていた鞄と、そこに入っていたもの。
それだけでなく、中に入っていたものは酷い有様にされていた。

私の唯一大切だったものは、簡単に壊れてしまっていた。

それだけを…何とか破片も一緒に回収してから、ポケットに入れて。
初めて、自分が傷つけられたことを後悔した。

初めて、自分を恨んだ。
初めて…本気で、死にたくなった。

生きてさえいれば勝ちだって、思っていたのに。

真っ暗になりかける時間帯。
自分で焼いてしまおうか…そうすれば、こんな醜い身体ともおさらばできる。

そっと、目を閉じた。
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