第10章 アザレアのひととき
『…、ッあ、♡……ん、んむ…ッふ♡』
「…胸ってよりキスでイってないかリアちゃん」
そう言ってるくせにキスいっぱい追加してくる悪い大人はどこの誰か分かってるのかしらこの人は。
「あと、ちょっと育ってきた?」
ふにゅ、と片方の膨らみを彼の大きな手で側面から持ち上げるように支えられ、親指で撫でられるのにぴく、ぴく、と刺激の余韻に浸るようにからだを震わせる。
育ってきたとか、なんで私じゃないくせにそんなに敏感に気付いてんの、意味分かんないほんと。
『し、らな……きら、ぃ…?』
私の質問にきょと、と目を丸くする。
この顔可愛いのよね、実は。
ふい、と少し返答に怖くなって顔を逸らすも、なわけ、と今度は頭に手がやって来てまた撫でられるものだから、たまらずドキドキしてしまう。
『ッ、こ、こんな、あの…可愛がら、れ方してるとその……なん、か、飼われてるみたい、な…』
「…それで嬉しそうにされてるからこんなことされるって気付かないかねぇこの子は」
『リアにしかしないんでしょう、?』
「煽ってる自覚あります?」
『知らないですそんなの』
彼に選ばれた、下着のセット。
からだを起こされて、背中側に回ってそれをつけられるのにまた胸が鳴る。
これでも結構好きなのだ、もちろん性的な思考が彼の中に無いわけではないけれど、こういう時はまた少し別なようで、本当に形や質感や、下着を着せることによる可愛らしさなどに重きを置いてくれているそう。
結局のところ、可愛いものを選んで私に着せてくれているのである。
「……これ履かせるのは結構俺もドキドキすんですけど、お嬢さん」
『自分で選んだくせに…』
「いいのかよ…ならまあ、喜んで」
喜ぶんかい。
全く、男の人ですねこの人も。
膝立ちになって、履いていたそれを下ろされて、流石の恥ずかしさに彼の首元に腕を回して抱きついた。
「おーよしよし、おいでおいで」
外気に晒される感覚にさえ感じそう。
「……結構こっちも寂しかったっぽいなぁ、どうする?ちょっと撫でるくらいしとくか?」
内腿を指が滑って、蜜が溢れでていた事に気付かされた。
ちょっと撫でるなんて、そんな言葉誰が信用するものか。
この人のちょっとは私のかなりだ、知ってるんだから。
『途中で、やめなきゃだから…いや』
「分かってんじゃねえか」