第9章 蛍石の道標
「やっと戻ってきた……早く会いたかったよ、俺も」
言われる前に。
「ずっと離れてる間気になって気になって仕方なかったんだ、どうしてるか。待っててくれてありがとう」
こいつがいつも言ってくれるように…離れる前にあれだけ言ってくれていたように、伝えないと。
『…ほん、と?』
「本当。ちなみに蝋燭プレイは好きな女の子にはしたくありません」
『ドSは好きなはずなのに??』
「成程、蜻蛉の悪影響だな?」
元凶が分かった、あいつの無駄な英才教育のせいだ。
「痛かったろそれ、そんな事させて」
『へ、やっえ…えっ、え、』
ぷちぷちとボタンを外していくのに戸惑う彼女を無視して、シャツを脱がせれば何ヶ所かにまだ残っている蝋燭。
「…火傷はしてないみたいだな。ったく、こんな際どいとこまで弄らせてんじゃねぇよ」
『っぁ、………ッきゃ、!!?』
ぺり、と胸元に固まった蝋を剥がして、そこに唇で吸い付いて。
『ち、中也さん!!ここ…明る、ッン…っ』
顔を真っ赤にして抗議するその唇に軽く口付けて離れ、大人しくなったのを撫でる。
「…いい子。分かってんな?他の野郎に俺のリアのこんな姿見せた仕置だよ」
『………濡れ、ちゃうから…後、にして…くだ、さい』
「後?後になるほど俺性欲たまってくと思うけど?」
『せいよ、ッ!?』
「当たり前だろ、あいつの手続きに時間かかるんだろ今日」
一瞬どういう事なのか考えて、首を傾げられる。
『……嫌、なの?』
「そりゃあね?」
『で、でもこれから同じマンションだし、顔合わせるようになる…けど』
「そりゃ大変だ、もっとリアちゃんのこと可愛がらせてもらわないと」
…俺は我慢ってのが苦手らしいからなぁ
ビクッ、ビク、と身体を強ばらせて何度か深く痙攣したリア。
声に感じてちゃ止めようがねぇなほんとに。
『…、中也、さんて…あの……、』
「大人だろうが男は男だ、てめぇの女が可愛くて可愛くて仕方ねぇんだよ。…御狐神ほどは難しいだろうけど、お前が安心出来るならもっともっと好き放題可愛がらせてもらうよ」
くたぁ、ともたれられるのをよしよしと撫でながら、彼女の秘部の割れ目からトロリとした蜜を掬って、舐める。
この子が最も恥ずかしがる行為だ。
『それ…、!』
「一旦これで許してやる…次はすんなよ、同じこと」