第9章 蛍石の道標
『は、恥ずかし、のやめ…っ、て、ぁ、』
「ん〜?人が寝てる間にチョーカー外してマーキングしてた悪い子がそれ言えんのか?」
トロ、
恥ずかしいところから、自身の愛液なのか彼から注がれた精なのか分からないそれがこぼれてきた。
ただでさえ死ぬほどドキドキするのに、ぞくりとさせられて、追い打ちをかけられるのだ。
『〜〜〜っっ、そ、れ…今、ダメ……ち、首…たっちゃうから、ぁ…やめ、て下さ…』
「ん?また胸イキしてぇの?」
ググ、と腰が浮いて、息が詰まって…低い低い彼の声に耳の奥まで震わされ、唇に吸いつかれれば簡単にまた鳴いてしまう。
「ふっ、かんわい…次こっちな」
『あッ!!?見ちゃダッあ、あぁっ…!!』
容易く片脚を持ち上げられて、太腿に吸い付かれる。
ぎゅうう、と必死に彼のシャツの裾を掴んで、彼の顔の隣で自身の恥部を隠すべく引き伸ばすのなんてお構い無し。
華がまた増えればペロリと舐めて、チュ、チュ、と啄まれる。
達する度に、増やされてばかり。
「すごい溢れてっけど、第六ラウンドいくか?」
『ゆ、許し…』
「ここ気持ちいいの覚えてきたばっかで可愛くて可愛くて…」
圧迫しないよう撫でられる下腹部に、体がいうことを聞かなくなっていく。
『あし、た…あした、シていいから今日は、』
「もう俺に犯してって言わねぇの?子狐ちゃんは」
『中原さッ…、気持ち、過ぎてもう無理…ッ…これ以上シたらも、っ…り、あ死んじゃうの…!!』
怖くない、のに。
気持ちよすぎて、何回も頭バカにされちゃって。
正直に言って、完敗させられた。
気持ちいいとこ探す所のはなしじゃない、どんどん気持ちいいとこ、増やされてる。
「次の休みに三十回しよっか、お家デートってやつ」
『も、ッ変態…体力底なし過ぎてそんなの…』
「……ちゃんとホテルに行くか?」
『変態!!!』
三十回とか馬鹿じゃないのこの脳筋。
今日だって五回でこれなのに。
カウントの基準は彼が達する回数で、私なんかは散々に飛ばされすぎて数える余裕さえない程よがらせられてるというのに。
「俺にあんなに飼われたがってたのに初日でこれか?身が持たねぇぞ」
『持つ女の子とかいませんて普通…』
「楽しみにしてろ、丸一日使って甘えさせてやるわ」
『なんでそんなノッてきてんですか』
「元彼扱いされたからな」