第9章 蛍石の道標
下手に暴れて見つかったところで、変な噂が流れて傷がつくのは中也さんの方。
そう、私が守りたいと思っているのは、所詮は自分の事を覚えてくれていた頃の彼であって…
…自信が、なかったわけじゃないはずだったんだけど。
男性構成員二人に連れられたのは片方の部屋の中。
乱暴に寝台へ投げられればそのまま、私の血液の伝うナイフで簡単に衣服が破かれていく。
「…抵抗しねえのかよこいつ、もう少し煽ってくれてもい……あ、?」
「おい、なんだよこのキスマークの量、明らかに普通じゃねえぞこれ…って、もしかして中原さんとできてるっての本当だったのか!?」
「それならちょっとやばくね?こんな分かりやすく牽制されてんのに」
「……リアちゃんっつったっけ?中原さんに全部付けられたのかよ、これ」
そりゃ、彼以外に私にそんな風にしてくれる人なんて。
…中也さんも、そういえばつけてくれたような気がしないでもないけれど。
『それが、…?』
「じゃあ、身体に残るようなもんつけないでおいてやるよ…だから、黙ってられるな?」
『…何、を』
「今からすること…お前も大好きな“中也さん”には知られたくねえだろ?」
ぐぐ、と割開かれる脚。
…慣れてる、これくらい。
いつものことだ。
「ほら、気持ちいいことしようぜ?ごめんなさい、二度とでかい口叩きませんっつって奉仕してくれたら許してやるからよ」
「うっわ、お前ほんと気持ち悪ぃ」
「共犯者が何言ってんだよ、一番慣れてんのてめえだろ」
「さーてさて、幹部さんの女はどんな身体で…、?」
つぅ、と割れ目をなぞられて、指で陰核を突かれて、腰を引くように逃がす。
するとそれにしめたというような顔をして、もう一人が腰を両手で押さえ付け、そこをトン、トンと弄られるようになる。
「へえ、感じ方知ってんだ?まだ餓鬼のくせしてたいした淫乱じゃねえか、もしかして中也さんに仕込まれたのかよ」
『え、…だ、あ…』
中也、さん。
違う、違う。
だって中也さんはいきなりこんな触り方しない。
彼は、もっと…もっと私の事、大事にって。
「あ?…おい、震えさせてっけど?どうすんのこれ」
「震えてるって、誰が」
「こいつ」
「…へえ、可愛いとこあんじゃん」
きゅ、と摘まれるのにびくん、と腰が跳ねて、寒気がした。
『や、違っ、中也さんじゃな…ッ!!』