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glorious time

第8章 タイムリミットとクローバー


横抱きにして抱えたそいつは俺の腕の中で尻尾を九本生やしきっていて、ごろごろと両手で抱きついて甘えている。
こんなことも、あったような…あったんだろうな。

最初一瞬困惑した割には、すんなり受け入れられてるし。
こんなスキンシップ、他にしたことねぇのに。

「あらぁおかえりー、すんごい懐いてんねぇ」

「ああ夏目、おかげさまでな」

「んん?リアたんに何か嬉しいことしたげたの?」

ラウンジに戻るとアップルパイをまだ何人か食べきっておらず、そのまま雑談でもしていたようで。
丁度いいし、なんならこの場で報告でも____

『中也さんにプロポーズされたの…♡』

ガタガタガタッ、と一斉に立ち上がる変態共。
主に大人組、そして反ノ塚。
学生三人はフリーズ状態だ。

さすがの夏目も想定外だったらしく、未来視していたわけでもなかったようで面食らっている。

「あっさり言うなぁお前?嬉しそうだからまあいいけど」

「リア!!?そん、そんな、そんっっ、、!!!?!?」

「落ち着け御狐神、見たこともねぇような顔んなってんぞ」

「リアちゃん!?お姉さんとの結婚の話はどうしたの!!?」

「誰がしたんだよんな話!!!」

いやまあ、常識的に考えてありえない話だとは俺が一番悩んだところ。
わかる、分かるんだけど…

「式は?挙げるの?」

『!連勝…え、えっと、そういうのはまだ先であの……と、とりあえずは籍だけ、』

「へぇ、良かったじゃん。おめでとうリアちゃん」

『あ…、うん、えへへ』

こうにも反ノ塚が真っ当な対応をしてくれてしまうとなんだかしてやられた気分になってくる。
なんでそんな落ち着いてんだお前、すげぇわやっぱ。

「うんうん、そっか遂にかぁ…何かあったら俺んとこ来なさいね?いつでもその人絞める準備しとくから」

違った、こいつが一番その手の人間だった。

『…迷惑なんじゃなかったの?』

「俺が一度でもそんな風に言ったことある?」

『……連勝のそういうところ大好き』

信頼度抜群ですってか。
まあ、確かに反ノ塚に対してだけはあんまり反抗しきれないような感じだもんなお前。

「まあ中也さんなら大丈夫だと思うけど、万が一があったら本当に蜻蛉に娶られちゃうだろうからね?」

「あんっっっな変態野郎に任せてたまるか」

『中也さんも大概だと思…』

「「「…へぇ?」」」
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