第8章 タイムリミットとクローバー
屋上のテラスへ移動して、ゆっくりと互いにそれらを食べ、食べさせて。
「体冷えてないか?」
手を重ねて、指先の温度を確認してみるとあたたかくて。
『こ、こんなくっ付いてて寒くなるとかないです…』
「そうか、ならよかった」
そのまま可愛がるようにして頬や耳へキスを繰り返す。
ぴくぴくと擽ったさに震えるのが可愛らしくて、それでも頑張って受け入れてくれているのが堪らなくて。
『…く、ちは…、?』
「まだだァめ。誰か来たらそっからやめられなくなっちまう」
『ん、…じゃ、じゃあやだ他のとこばっ、…んん、…ッ』
「人前で裸エプロンとかいう過剰サービスしちまう子はお説教だならなぁ?ダメだっつったろ?見せちゃダメだって」
『で、でも中也さんが見たいって、あ、あっ、!!♡首やだっ、それ嫌!!♡』
つぅ、と舌で撫でると途端に許容量を超える刺激だったのか、拒まれる。
この場合はまあ、理性が飛びそうになるからという意味合いなのだろうけれど。
「ちゃんと反省するまでキスとか絶対してやらねぇ…」
『!!、っ…エプロン着てた、っのにそんなのおかし、ッひ、!!?』
ジュル、と耳の中まで舌で堪能し始めるとぐ、と背中を反らせて力み始める。
「エプロンはお洋服じゃないな?リアちゃん」
『ぁ、ぁあ、あ…っ…さ、そったの…っ♡ちゅ、やさんが嫌がってくれるかなって、リア…っ!!』
「…ふぅん?俺が嫌がるかなって…嫉妬して欲しかったの?」
『そ、っう…♡だ、だって中也さん、野ばらちゃんとかばっかりと一緒にお話し…んんン、っっ!♡』
唾液をつけて撫でていたのを吸い上げて、思いもしなかったその魂胆に昂ってくる。
そういうところだぞお前…
「お前の事しか話してねえよ」
『や、ぁだ…ッ!…そ、れでもや…っ』
「だからって、他の奴に裸見せんのとかほんとにやめて。俺も嫌だから」
『……怒ったら、束縛してくれるかなって』
ピタリと、いじめるような愛撫を止める。
なんだよ、どういう意味だそれ。
「怒らせたかったの?」
『構ってくれないよりいいもん…』
「構っ、……そういう時は、構えって言ってくれたら喜んで構うのに?」
『………怒ってくれてたら嫌でもずっとリアのこと考えてくれるもん』
そこまでか。
「じゃあ先に俺に言って、そういうの。それで聞かなかったら許してやるから」