第8章 タイムリミットとクローバー
『というわけで、中也さんに世界で一番おいしいアップルパイをつくろうの会!IN妖館!!』
「いえええい!!どんどんぱふぱふ!!✩」
「なんでこんな大掛かりなことに…」
やべえこいつ、マジで材料揃えてきやがった。
しかも、妖館の厨房に無い分を覚りの力で読んでまでだ。
天才かお前。
『材料の仕入れ基準は能力フル活用と、カルタと高めあったリアの審美眼!!』
「あいつマジで食のことなら容赦ねぇよな」
『レシピはリアのお手製よ!これでも海外でその道のプロになった事もあるらしいからね!』
「先祖返りマジでなんでもありだな」
いいのだろうか、必殺能力がアップルパイ作りの為だけにフル活用されて。
記事作りから何から、全てを計算通りに進めるべくして分身作って作業してやがるし意味がわからないほどに気合いが入っていらっしゃる。
そんな様子に群がる大人達。
「受験シーズンになると俺も糖分欲しいよねぇ」
『あんたの分はついでよ』
「リアちゃァああああん!!!エプロン!!裸エプロンしてちょうだい!!!!」
『ち、中也さんが見たいならいいよ…?』
「許すわけねぇだろうがんなもん!!?」
『…み、見たくない、?』
「見たいですけど」
結局見たいんだ、なんて冷静に素の声で夏目に突っ込まれた。
なんなんだよお前らは!?
俺にあやかってリアについでに作って貰ってるだけの野次馬のくせして!!
そうだぞ!?俺に作ってくれてるんだからな!!?
『じゃ、じゃあね、あのね、あんまり後ろから見ちゃやだからね…??』
「おい待てなんでマジで脱いでる!!?見んな手前ら!!!」
全力で上着を着せに行った。
尻尾生やしてっから下はまだ隠れてるが。
それでもよろしくはないだろう。
『ち、ちち中也さん見ないでって!!』
「あいつらは!?俺より先にあっちだよな!!?」
『リア中也さん以外になんて見られたって恥ずかしくないもん!!!』
「そおおおうかあリアちゃん、分かった!!!分かったから俺以外の奴らにそんなサービスすんな俺だけが見れればそれでいいから!!!」
お前の判断基準なんなの。
今更だけど。
「あれが本音だから凄いよねぇ中也たん」
「!お、俺?あいつじゃなくてかよ」
「うん、そりゃそうだよ。僕達はもうこんな関係が転生する度続いてるから意識なんかされないんだけど」