第7章 燐灰石の秘め事
「いやあ、だって飲んだくれだよ?」
『リアの前じゃ節度弁えてくれるもん、』
「ああ、そういや中也さん喫煙者でもあったっけ」
『禁煙してるもん!!』
「なんでお前がそんな必死なんだよ」
『はぁああ!?私のシークレットサービスが馬鹿にされてんのに黙ってるわけないでしょう!!?』
勢いで中也さんの方に振り返って、思ったまま馬鹿正直にそれを言い放てば、面食らったような顔をされる。
「…リアたんホントに中也たん好きねぇ?」
『はっ、別に』
「あれっ、もしかしてそんなに好きじゃない?」
『べ、別に!?』
「えっ、お前俺の事そんなに好きじゃねえの?」
『そんな事ないよ中也さん!!?違うからね!?』
訪れる静寂に、笑いを堪えるのに必死な残夏君と連勝。
ニコニコと黒い笑顔を浮かべるそう君に、口元が緩んで照れた結果横を向いてしまった中也さん。
『えっ、…えっ、なにこれ!?なんていういじめ!?』
「いや、すんげぇ好きだなと思っ…ぷっ、あー可愛…っ」
『あ、ああ、あ…へ、部屋行くもん!!知らないからもう!!』
「あー待て待て、返事がまだだ。おかえり、リアちゃん」
『!!…た、ただ…い、ま』
ふっと微笑まれるのに気恥ずかしくなって、ふい、と顔を背けてエレベーターに向かう。
が、固まったままいっこうについてくる気配のない中也さん。
『ちょ、…ち、中也さんなにしてるの!?』
「え、?いや、何って…」
『へ、部屋来ないつもり…、?』
「え…あ、…あー…わかった、行くからそんな心配すんな」
「一緒のお部屋使ってるんですってあの二人〜」
「きゃーラブラブですわね♡ひゅーひゅー♡」
『な、ななななな何よ…ち、違うの、?こ、恋人ってあの…う、…』
ぽかんと面白がるような空気が消えて、今の今までいじりもしていなかったそう君が口を開いた。
「リア、それは同棲というやつです。気付いてますか?」
『同棲、…って、言われても、?』
「結婚を前提にしてるようなレベルの男女がするようなものです…相当に親密な仲の」
『し、親密…り、リアってそんなに中也さんと親密、??』
「少なくとも、僕からはそう見えますよ」
『……、…必要、かなぁ、?』
「勿論です。リアがいないと、中原さんも生きて行けなくなってしまいますよ」
必要。
そっか…そっかぁ、…