第7章 燐灰石の秘め事
『…な、んで?なんで、泣いちゃうの?』
「……俺、お前が弱くても構わないんだぞ、…?そんな、体張らねえでいいから…、頼むから…傷つかねぇで、いてくれよ…」
『…まだ、ダメ…?もっ、と?もっと頑張ったら、ちゅうや、さん……リアの、ことまた…好きって言って、くれ____』
ぽた、と、私の手に落ちてきたその雫に、言葉を失った。
なんで?
なんで、まだ泣いてるの?
私こんなに強いよって、言ってるのに。
「……お前、俺がもし…お前の見てねえところで怪我して、気失った状態で見つかってたら、どう思う、?」
『え…、な、にそれ…。…死んでも、治すよ、?』
「…治せなかったら?」
『……リアに、死ねって言ってる、?中也さん、』
「俺だって同じなんだよつってんだけど」
ドキ、と胸が詰まらせられる。
同じって、なんで?
『同じ…って、違うよ、?だっ、て…リア、死んだところで結局また同じだもん』
「…俺は、今目の前で横になってるお前のことを愛してるんだけど」
『だから、死なないんだって言っ「死ぬだろうが…っ、受け継いでんのは記憶と能力だけだ、勘違いして何でもかんでも諦めやがって!!そういう所がムカつくんだよお前!!」…ムカつくって、言われても』
「挙句怪我したところで自分なら治せる!?死んでも生まれ変わるからいい!!?いいわけあるか!!!お前は…っ、人間だ!!!痛ぇもんは痛ぇし苦しいもんは苦しいし、嫌なもんは嫌だろ!!いいか!?生まれ変わったどこぞの先祖返りなんか俺は相手しねえぞ!!?今生きてるお前しか!!俺は愛さねえ!!!」
『!!!、…は、?…いや、何当たり前のこと言って……?』
「俺の許可なく自分のこと、無下にすんなっつってんだ!!!お前のこと大事にしてえのにッ、お前自身がそんなんじゃ…っ、いつまでたっても大事にしてやれねえじゃねえか!!!」
大事にして…くれてる、のに?
私にだって、真っ当な生死の観念があった時期くらいあるけれど。
それがあるからこそのこの考えで、だから貴方はそんなものに縛られなくてもいいよって…人より、楽していいよって、言ってるのに。
『り、あ…そんなの、より中也さんが欲しいもん』
「…あ?…そんなの言うな、それ無くしやがったら二度と口聞かねぇぞ手前」
『……じゃ、何?リアの事、大事だとでも言うわけ』
「そう言ってる」