第7章 燐灰石の秘め事

『あ、りがと…』

「…いいけど、どうした。…トラウマか」

『っ、…あ…ご、ごめんなさい……つ、次頑張る…』

「頑張らなくていい、お前は十分すぎるくらいに頑張ってくれてんだ…身体も動かなくなるくらいにはな？」

触れ合いというのは大切なようで、特に撫でられるのにこの子は相当安心するらしい。

『ぁ…、動きま……ｯ、ﾝ…』

「声も枯れかけてる、キツかったろ。…水」

『……動けない、から…ちゅうして飲ませてください』

「………遠回しにもっぺん欲情しろっつってねえ？」

口に含んで、彼女に飲ませて。
何度かそうしている内に、何を思い出したのか彼女が次第に泣き始めて、ギョッとする。

「…やり過ぎたか」

『！！違、…っの、違う…、』

出された後に愛されるなんて、経験無いから。
大好きな人に出してもらえるなんて、思いもせずに生きてきたから。

しゃくりあげながらも紡がれる言葉に、思わず抱きしめ、キスをする。
思えば以前だって、こんな身体が襲われようが何も失うものなどないとまで言っていたような子供だ。

そこに、自分の感情を絡めてなど考えなかった…いや、弱い部分を見せるようで恐ろしかったのだろう。

「…出した後、どんな風にされたい？ご要望…あったらなんなりと実行すんぜ、お前の恋人様は」

『……褒め、て…？いっ、ぱい……好きって、聞きたい』

「！よく…頑張り、ました」

遅かっただろうけれど、できる限りは報いたいんだ。

『い、今はいいのに…っ、……えへへ、』

お前が笑ってくれるから。
幸せを噛み締めるような顔をしてくれるから。

「好きだよ、リア…大好きだ」

『っん、…リア、も大好き…』

声にされると、落ち着くんだよな。

思い違いじゃないって、信じようとしてくれてるんだよな。

「外套の方が好きなんじゃなくて？」

『…そういうこと言う中也さんは嫌い〜』

「俺だって妬くものは妬くんですけど」

『、？妬いた…の、？？』

「あたりまえ。お前あんな顔誰かに見られてねぇだろうな」

『見られてたらどうする？』

その反応は見せてねぇな、安心したわ。

「…監禁すっかも」

『ちょっと今から誰かに見せに行ってく「なんで乗り気になんだよアホ、寝てろ風邪ひきコラ」…そんなに嫌？』

「逆にお前、俺が他の女に流されてそいつに中出しし『は？殺す』……だろ？」