第7章 燐灰石の秘め事
全身で感じた。
ぶるぶる、と思いっきり身体中力ませて、深く襲いかかってきた快感を受け止めれば力が抜けて、その余韻にビク、ビク、と小さく痙攣を繰り返す。
『ふ、っぅあ…、……』
「お、い…?俺ここまでなるような事したつもりじゃ……り、リア?大丈…」
身体の向きを変えられれば、情けない顔が彼に見られてしまう。
私だって初めてなんだこんなの…まさか先に、気持ちの方が出来上がった状態でだなんて、されると思うわけないじゃない。
『……、見、んな…ッ……、ぁ、…♡』
「は、はい…」
『!!ッ、撫でんな、あ…っっ、♡♡』
おかしい、発情期、もう終わったはずなのに。
これじゃ、まるで私自身がこの人に対して発情してるみたいな…
「…リアちゃん、?」
『ッッひ、!?♡』
好きだとか、愛してるだとか、そんなものを死ぬほど私に刻み込んで来るくせに。
この男はまだ私にそれを植え付けようとする。
「悪いことしたかこりゃ…、お、おい?辛いならとりあえず身体起こ『そ、っち向けないでぇ…ッ!!』は、はい…」
頭、真っ白どころじゃない。
この人の愛で満たされすぎて、今おかしなことになってる。
こんなの、こんなの…愛情の暴力じゃない。
『っ、は…つ、ぎ……した、ら殺す、ッ』
「つっても、何がどうなったのかいまいち理解出来てねえんですけど…?」
『だ、からッ…ぁ、……その、…あの……♡』
「……尻尾ちょっと揺らしながら恥ずかしがられても説得力ねぇんすけど、姫さん」
『っ、ひ、姫さん…?な、名前は…??』
「ぐ、ッ!!?!?、…り、リア…ちゃん、???」
『ぁ、…そ、そう、わ、分かってればいいの、分かってれば……っ、れ、?』
とりあえず物理的に距離を取ろうとしてソファーからおりようとするのに、簡単に腰が抜けてくれてしまう。
「お、おい…あんま無理す『……何。何か見たの』何も見てねえっす俺は」
『…こ、こ心臓に悪いか、ら…立原君とこ行ってくる』
「あ、ああ、じゃあ背中にでも…」
『あ、っ…あ、ああ貴方の所が心臓に悪いって言ってるの、!!!わっかんないんですか!!?』
「俺!!?なんでだよ!!!?」
勢いよく聞き返されて、言葉を詰まらせる。
『へ!?、や、だ、だって…そ、んな……り、あに好き、とか…愛、してる、とかばっか…』
「いつもの事じゃねえか」