第6章 スカビオサの予兆
誰にも撫でられなかった、触れられることも抱きしめられることもなかったその身体に直接触れて、愛していく。
性行為へ及ぶことが目的でないのは分かっているらしく、時間をかけてじっくりと撫でているうちに強ばっていた身体はいつの間にかリラックスし、俺の手や唇の感触を素直に受け取ってくれるようになっていて。
「お腹撫でられんの結構好きだよなぁ…そんなに気持ちいいか?」
『ぁ、うん…っ、優し…す、き…』
「…まぁたそんなしがみついて…腰揺らしてっけどダメだからな?俺も流石に人魚の身体の構造までは知らねえから」
なんて口にしたのが引き金となってしまったらしい。
すぅ、と腰から太腿の真ん中程までの鱗が消え、見慣れた人体がそこに…っておい、待て本気かこいつ。
『…、…お、犯して…っ』
「…違うな」
『ぁ、う…っ………、…気持ちく、して下さ…ッ、♡』
無理矢理を、求めなくなってきた彼女が愛おしくて、口付ける。
そのまま直に腰から下の膨らみを撫でればびくん、といつものように身体が跳ねるので、その割れ目を伝っていくと、既に蕩けきった蜜壷の入口を発見した。
流石に見えはしないし本人の希望もあるため無理矢理見ることもしないが、それでも相当に焦らしてしまっていたようで、少し悪いことをしたなと反省する。
「…少し腰突き出してくれ、後ろからじゃねぇと触れない」
言えば、その通りにしようと身体を動かして横を向き、鱗に包まれた部分の関節を曲げて濡れに濡れたそこをさらけ出してくれる。
相当に恥ずかしいようで息がかなり震えているが、そのまま中指を挿入していくとすぐに表情と共に身体まで蕩けていくようで。
大きくゆっくりとナカを擦って出したり入れたりし始めると、ゆったりと膨れ上がり始める快楽の波に晒され、静かに震え、ぶるぶるとそれを享受する。
『あ、っ…は、ぁ……も、あ、きちゃ…♡、あ、ぁ…なんでそんな優し、ッッ…!!♡♡』
すがり付くようにしてシャツを手繰り寄せられてしまえばあまりの可愛らしさに指を増やし、そのまま緩やかに達するまで出し入れを繰り返して。
静かに、少し深く達したのか、ぐぐ、と身体中を力ませて腰を前にすこし突き出して、しばらくしてからゆっくりと元に戻り、またびく、と突き出して。
「…どう?」
『……、♡…も、っ…か、ぃ、♡』
「はいよ…仰せのままに」