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glorious time

第6章 スカビオサの予兆


「立原も毎度助かるわ、今度また何か奢るから予定空けとけ」

『…立原君に中原さん取られた』

「取られてねぇアホ、お前も来るんだ」

『ほ、ほんと!?』

ぱああ、と一気に表情が明るくなるリア。
こいつ食いもんにならやっと慣れてきてくれたよなぁ…

「いや、助かるも何も俺もゆっくりさせてもらってるんでそんな…」

「何言ってやがる、手前がこいつの事見ててくれるとホイホイどこにも行かなくて済むから助かるんだよ」

「そんなにどっか行きますか?中也さんのことそんな好きなのに」

「立原とつるんでなかった時期なんかとっとと後のスケジュール全投げして帰っちまうか、行方くらませて遊んでたとかそんなんばっかだぞ?言っとくけど」

突然いなくなったかと思えばそのまま連絡もなしに帰ってこなかった日だってある。
しかもそういう日に限って次の日は大概遅刻するか無断欠勤か…まあ、首領の方には連絡しているようだったので大目に見てやってくれと宥められてはいたが。

今となっては十分懐ききった上で存分に甘えきってくれてしまっているので大人しくなってくれたものだがな。

いきなり仕事ほっぽり出してどこかに堂々とサボりに言ったかと思いきやちゃっかり仕事はこなしていたとか、そういうあたりは真面目だったし。

「へぇ、お前そんな酷かったんだ?よくそれで…あれ、ちょっと待ておま____」

立原が何かに勘づいたような反応を示した瞬間に、リアがそちらを向けばそのまま何も言わずに黙ってしまう。
何だ、何を言いかけた?

『…それで、デートってどこ行くんです?』

「あ?今の流れでなんでちょっと乗り気になってんだよ」

『わんわんが煩いから聞いてあげてるのに』

「誰がわんわんだコラ、手前マジで下手に過激な奴らがいる所でんな事口にすんなよ、弁明すんのがめんどくせぇから」

部下達の心境の方が心配だ、俺がその立場なら胃が痛くて仕方がねぇ。

「…リア、お前どっか行ってみたいところねえの?」

と、話に参戦する立原。
…あ?なんだよリアの奴、やけに立原には素直に……

『別にどこも…』

……いや違う、まさかこいつ、本当に分からないだけなんじゃないのか?
遠慮してる面があったにせよ、それを抜きにしても。

「じゃあ美味いカフェにでも行ってみればいいんじゃねえ?」

『カフェ…!!』

だから、食べ物しか…??
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