第6章 スカビオサの予兆
『ン…、……っふ、…ッ♡』
柔らかな膨らみを超え、あたたかな彼女の腹部を撫でる。
キスで触れ合いながら全身をくまなく可愛がるのだが、弱いところはまだ避けていて。
太腿の外側に触れると、一気にビクッと膝を立てそうになる。
けれど、その刺激に耐えようと懸命に俺を受け入れるカノジョが愛らしい。
「撫でられんの好きになってきた?」
段々と声が甘くなってくるリアに問うと、コク、とキスの合間に頷いてくれる。
余裕は無さそうだな、流石は俺の家なだけあるのか。
が、ふと彼女が手を口元に持っていこうとしたり、顔を隠そうとしたり、しかし顔の横にまた大人しく戻してもどかしそうにしたりなどと、何かを我慢し始める。
「…何かいじりたい?」
『ッ!!!、…なか、はらさ…』
「!俺、?…いいけど……そうだな。名前ちゃんと呼べたら許可してやる」
『へ…あ……、ちゅうやさ、…ん♡』
何やら、俺の名前を呼ぶと感度が上がるらしい。
本人曰く慣れないらしく、恥ずかしいんだとか。
呼び捨てにしてくれたっていいぐらいなのに。
「ん、いい子だ。たんと甘えな」
チュ、と額と頬に短く口付け、彼女の震える手に指を絡めて、自分の背中に回させる。
そこまで導いてやれば漸く安心出来たのか、愛撫し続ける内に俺に回した腕から力が抜け、リラックスしてくれるようになってきた。
少し動きにくいが、これだけリアに信頼されているのならば本望だ。
「リアはどこ撫でられるのが一番好きかな」
『…あたま』
「あー…そうだな。いっぱい撫でてやろうな」
なんだこの生き物、天使か。
撫でてやれば目を細めて本気で嬉しそうにしてくれてしまう。
下心だらけの自分が情けなくなってきた。
頭を撫でていない方の手を、そろそろ首筋に触れさせる。
それから、肩まで撫でて…少し横を向かせるように体勢を変えれば、彼女の弱点でもある背中に辿り着く。
『ッぅ、…』
「まだアソコ触ってねぇから手加減しねぇぞ」
『中原さ、相手じゃ無理っ…!!気持ちよくなるようにって調教してるくせし、ッあ、あ…っっ♡』
「お口がえっちだぞリア、肩甲骨の内側とか好きだろ?」
『ひぁん…ッ…、!…あ、っぅ…は…♡』
腰がくねり始める。
もう自分の気持ちいいところ意識し始めてやがるな。
その気になってきた所で口内に舌をねじ込んで、軽く達させた。